転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職でキャリアアップできる人とできない人の違い

   

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一昔前、転職のイメージは「逃げ」や「裏切り」といったようなネガティブなものばかりだったが、今ではもう転職にこういったネガティブイメージが付きまとうことはかなり少なくなってきている。それどころか、今や「転職」を「キャリアアップ」といったようにポジティブなものとして捉える人も多い。

このように「転職」という選択肢を誰もが後ろめたさを感じることなく選べるようになったこと自体は非常にいいことだと思うものの、安易に「転職すればキャリアアップできる」と思い込んでしまうのもそれはそれで問題だ。たしかに、転職がきっかけでキャリアアップできる人はいるが、転職したからといって必ずキャリアアップできるというわけではない。転職とはつまるところ働く環境を変えることだが、環境が変わればよくなることもあるし、逆に悪くなることもある。無計画に転職をすると、キャリアアップのつもりがキャリアダウンになってしまうという可能性も十分ある。

では、転職でキャリアップできる人とできない人との間にはどのような違いがあるのだろうか?

キャリアアップとは何を指すのか

まずはじめに、「キャリアップ」という言葉の意味が曖昧だという問題がある。キャリア(career)とは「経歴」のことなので、キャリア・アップとはとりあえず「経歴を高める」という意味だということまでは分かる。では、どういう状態になれば経歴が高まったと言えるのだろうか?

この問いに答える1つの方法として、「年収」という数字を持ち出す人がいる。シンプルに、年収が上がる=キャリア・アップと考えてしまおうというわけだ。この方式に則ると、年収が上がる転職ならキャリアアップ転職で、年収が下がる転職ならキャリアダウン転職、ということになる。これは非常にわかりやすいし第三者による判断も可能になるが、果たしてこれでいいのだろうか?

私自身は、このような捉え方は本質を見失う可能性が高いと考えている。給与額はたしかに仕事をする上で考慮から外すことができないファクターだが、上がれば無条件で幸せだというわけにはいかない。年収が高くなっても、その分やりたくない仕事をやらされたらその人は不幸になるだろうし、逆に年収が下がっても仕事内容が自分の満足行くものに変わるというのであれば、そちらのほうが価値があると言える。結局、「キャリアアップ」を定義するためには、働く本人による仕事の価値判断を避けることはできない。

キャリアアップのためにはゴール設定が必要

以上を踏まえると、キャリアアップのためにはその人の価値判断に基づく「ゴール」の設定が必要不可欠だと言える。ここで言う「ゴール」というのは、「自分は将来こうなりたい」という目標のことだ。転職によってそのゴールに近づくことができるならその転職はキャリアアップ転職だと言えるし、逆に転職した結果ゴールから遠ざかってしまったのであれば、それはキャリアダウン転職だと考えられる。

大切なことは、「ゴール」を設定しないかぎり、キャリアップもキャリアダウンも定義できないということだ。自分が将来どうなりたいかも決まっていない状態で、なんとなく転職を繰り返してもキャリアアップすることは絶対にない。転職によってキャリアアップできる人は、3年後、5年後、10年後に自分がどうなっていたいか、明確でなくてもある程度のイメージを持っている。

こうしたイメージを持っていないと、キャリアは容易に迷走する。たとえば、あるITエンジニアのキャリアについて考えてみよう。エンジニアのキャリアとしてよくあるのは、若いころは現場でコードを書いて開発をして、ある年齢以上になるとマネジメントを担当するようになるというものだ。この「よくあるキャリア」を受け入れるべきか受け入れないべきかは、本人が「将来どうなりたいか」によって変わってくる。

35歳(一昔前はプログラマー35歳定年説なんてものもあった)を過ぎても現場でバリバリとコードを書き、開発のエキスパートとして一生やっていきたいというのであれば、戦略的にこのような「歳をとったらマネージャー」というキャリアからは距離を置くようにしていかなければならない。転職では、シニアになっても現場でコードが書けるような職場をさがす必要がある。一方で、「将来は大規模なプロジェクトを統括するリーダーになりたい」というのであれば、目指すべきは「よくあるキャリア」どおりマネージャーだ。転職では、マネージャーとして多用な経験が積めるような職場をさがすことになるだろう。

開発のエキスパートになりたい人がマネージャーとして経験が積める職場に転職してもそれはキャリアアップにはならないし、プロジェクトリーダーになりたい人が現場でバリバリとコードが書ける職場に転職しても同じくキャリアアップにはならない。キャリアアップができる転職とは、結局ゴールに近づくことができる転職のことだ。そのためにも、まず固めなければならないのは「自分が将来どうなりたいか」である。

時には他人の意見を聞くことも大切

「将来自分がどうなりたいか」をわかっているのは自分だけなのだから、キャリアについて真剣に考えることができるのは自分だけのように思える。それはたしかにその通りなのだが、だからと言って自分のキャリアについてすべてひとりで考え続けるのがいいというわけではない。時には、他人の意見を聞いてみることも大切だ。

「どうなりたいか」は本人が価値観に基づいて決めるしかないが、「それを目指すために何をしていくべきか」は他の人の意見も参考になる。自分一人だけで考えていると都合のいいことばかり考えてしまったり、あるいはもっと他の方法があるのにそれが発見できずに遠回りしてしまうことも少なくない。思うに、他人が聞いても「筋が通ってるな」と思えるキャリア戦略は実現可能性が高い。独りよがりなキャリア戦略を立てないためにも、一度自分が将来どうなりたいと思っていて、そのために直近で何をやろうとしているのかを誰かに相談してみるのは悪くない。相談相手としては、やはり仕事柄数多くのキャリアに接している転職エージェントが第一候補になるだろう。

また、純粋に「自分が将来何をしたいのかいまいちわからない」という人が、他人との対話の中で自分のやりたいことを今より明確にできるということもある。自己分析のひとつの手段として、誰かに相談してみるというのも有効だと思う。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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