転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職エージェントとハローワークの違い

   

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転職エージェントの業態を説明する際に、「民間のハローワーク」という言葉が使われることがある。

たしかに、両者には似ている部分が多い。転職エージェントもハローワークも、求職者が企業の求人を斡旋してもらうという点では同じだ。転職エージェントであればキャリアアドバイザー(キャリアコンサルタント)、ハローワークであれば相談員といったように、キャリア相談に乗る役割の人がいるのも両者に共通している。

では、ハローワークも転職エージェントと同じように転職活動に使えるのかと問われると、実際にはかなり厳しいと言わざるをえない。両者は仕組みこそ似ているものの、集まる求人の質や運営目的、提供されるサービスの力点が大きく異なるからだ。特に、いま会社に在職していてこれから転職活動をはじめようと考えている人の場合、ハローワークを使って活動をすることは基本的におすすめできない。

ハローワークの目的は失業者を減らし雇用を安定させること

そもそも、転職エージェントとハローワークとでは、存在目的が大きく異なっている。転職エージェントは民間企業なので、目的は利益を上げること、すなわちビジネスを目的とした存在だ。詳しくは転職エージェントのビジネスモデルの記事を読んでもらいたいが、エージェントは企業に人材を斡旋してその手数料で収益を上げている。民間企業なので他の企業との競争もある。市場原理の中で戦っているので日々サービスは改善され続けている(それができないなら市場で負けるだけだ)。

一方で、ハローワークの運営主体は国や自治体だ。ハローワークの目的は、国民に対し安定した雇用を確保し、国民の勤労権を保証する点にある。「ハローワーク」というのは愛称で、実際には公共職業安定所という組織だ。要は公共の機関なので、当然ながら市場原理は働かない。民間企業のように、競争に勝つためにと日々サービスの改善をしつづけるインセンティブもないし、収益を上げる必要もないので求人案件獲得に躍起になったりすることもない。相談員と相談できることも、転職エージェントのキャリアアドバイザーと相談できることに比べればずっと範囲が狭いのが普通だ。

ハローワークへの求人掲載・紹介は無料→求人の質には疑問がある

ハローワークの大きな特徴のひとつは、企業側の求人掲載・紹介が無料であることだ。転職エージェントの場合であれば、掲載は無料でも紹介が成立したら高額なフィーが発生する(注意:払うのはあくまで企業なので転職者は無料)。ゆえに、コスト面だけ見ると、企業にとってハローワークはだいぶ利用のハードルが低いサービスだとも言える。実際、求人にお金をかけることができないが人は取りたいという会社が利用する例は多いし、案件の数だけみればハローワークのほうが転職エージェントよりも多いこともある。

もっとも、無料で原理的にはどの会社でも登録できるというだけあって、残念ながら求人の質はかなり低いと言わざるをえない。ハローワークを求人を出す対象として第一の選択肢にする企業は採用にお金がかけられない企業なので待遇面もたかが知れてるし、いわゆるブラック企業的な求人も平気で混じっているので、ハローワークで職を見つけた人があっという間にまたハローワークに戻ってくることも少なくない。本来であれば、国がもっとハローワークの求人の質を実効的に担保する仕組みをつくらなければならないはずだが、残念ながら現実はかなり厳しい。

ハローワークは失業者の利用が前提なので転職活動には不適切

また、そもそもハローワークの目的は公共の雇用を安定させることにあるので、基本的には失業者に向けてのサービス設計となっている。特定の条件を満たせば在職中の人でもハローワークを利用することはできるが、実際には会社を既に退職した人が使うことがほとんどだ。

転職活動の基本的な流儀は今の会社に在職しながらにして次の会社をさがすことなので(参考:「会社を辞めてから転職活動」はアリか?)、そういう点でも退職後の利用が前提であるハローワークは使いづらい。やむを得ない事情で会社を退職した後であれば選択肢のひとつにしてもいいが、在職しながら活動をするならハローワークではなくエージェントを使ったほうが苦労がないだろう。

転職エージェントなら代行してもらえることもハローワークなら自分でやらなければならない

また、転職エージェントを使う場合、エージェントが応募や面接日程の調整を代行してくれるが、ハローワークの場合は基本的に自分で行う必要がある。ハローワークにいる相談員は、名前の示す通り本当に相談に乗ることが仕事なので、転職活動に伴う細々とした面倒事は引き受けてくれない。これは結構な手間になる。

当然ながら、エージェントがやってくれるような条件交渉をハローワークの相談員が代わりにやってくれるようなこともないので、条件交渉をするなら自分でやらなければならない(もっと言うと、ハローワークに登録されている求人案件では、交渉の余地がないことのほうが多い)。

転職活動が目的なら、まずは転職エージェントの活用を第一選択肢に

ここまで見てきたように、転職エージェントとハローワークは業態こそ似ているものの、目的や求人の傾向が大きく異なるので両者は基本的に別物だと考えておいたほうがいい。転職活動が目的なら、基本的に転職エージェントの活用を最初の選択肢にするべきだろう。

また、既に会社を退職済みの場合であっても転職エージェントを使うことはできるので、求人の質という面でもまずは転職エージェントからあたってみたほうがいいと言える。ハローワークを使うのは色々と試してみてどうしてもダメだった時という位置づけで考えておいたほうがいい。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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