転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職エージェントがよく使う「非公開求人」の本当の意味

   

girls-914823_640

どの転職エージェントも、よく「非公開求人」という言葉を用いて自社の抱える求人数をアピールする。

たとえば、業界最大手のリクルートエージェントの非公開求人数は約100,000件で、二番手のインテリジェンスDODAの非公開求人数は約80,000〜90,000件である。いずれのエージェントも公開求人数よりも非公開求人数のほうが数が多く(一般的に、どの転職エージェントでも求人案件の70%〜90%は非公開求人である)、このあたりからなんとなく転職エージェントの紹介してくれる求人案件にプレミアム感を覚える人もいるかもしれない。

この「非公開求人」という言葉は、実は一癖ある言葉なので少し注意が必要だ。特に「非公開」という言葉の定義を捉えそこねると、とんでもない勘違いに繋がるので気をつけてほしい。今回は、この「非公開求人」の言葉の定義について説明しよう。

「非公開求人」とは、いったい何が非公開なのか

転職エージェントがよく使う「非公開求人」とは、「転職エージェント各社が自社の求人サイトで公開していない求人」のことを指している。たとえばリクルートエージェントのホームページを見てみると、特に登録をしなくてもサイト上で求人情報を見ることができるが、これらは「公開求人」である。これら「公開求人」以外の求人は、すべて「非公開求人」ということになる。

非公開求人の定義は、たったそれだけだ。「非公開求人」と聞くと、そのエージェントでしか見ることができない、超極秘の優良求人のような印象を受けるが、現実にはエージェントに登録していない人は見ることができない求人ぐらいの意味なので、あまり大げさに捉えないほうが身のためである。

それゆえ、転職エージェント同士の比較をする時は「非公開」という言葉についてはいったん抜きで考えるといいだろう。公開・非公開にはとりあえずこだわらずに、案件数の合計値を見てみるといい。非公開求人を特別視しなくてもリクルートエージェントやインテリジェンスDODAは100,000件以上の求人を保有しており、これはなかなか他の会社では真似できないということがわかる。

非公開求人は、エージェント間で排他的な求人というわけではないので注意

たとえあるエージェントで「非公開求人」と言われる求人があっても、それはそのエージェントが求人を独占しているという意味ではない。つまり、あるエージェントで紹介された求人案件が、他のエージェントでも同じように紹介されるということは十分ありうることだし、むしろそれが普通である。

もちろん、中にはあるエージェントにしか存在しないという本当の意味での非公開求人(極秘の求人)もあるだろう。もっとも、そういう求人の有無をエージェントに登録することなく事前に確かめる術はない(外の人に漏れないから極秘なのだ)。もし、どうしても極秘の求人ばかりを扱ったエージェントを使いたいというのであれば、個人事業に近い小規模な転職エージェントをさがすという方法がある。小規模な転職エージェントは、大手のエージェントでは見つけらないような求人案件を抱えている場合が多いからだ。

とはいえ、実際には求職者がそうやって極秘の求人にこだわるメリットがほとんどないので、ある案件が公開だろうと非公開だろうと転職活動に与える影響はあまり多くはない。

なぜ非公開求人が生まれるのか

ちなみに、なぜこんなにも多く転職エージェントには非公開求人(=自社サイトで募集をかけない求人)が集まるのだろうか。理由はいくつかあるが、一番大きいのは企業側の採用にかけられるリソースの問題だろう。

転職エージェントはそもそも事前に応募者の質をある程度絞って企業の効率的な採用をサポートするという役割を担うものなので(参考:転職エージェントとは?サービス内容と全体像のまとめ)、サイト上に大きく掲載してたくさん応募してもらう、という募集のかけかたは普通はしない。もしそういう求人の募集をしたいのであれば、企業はエージェントではなく転職サイトなどのメディアを使うはずだ。転職エージェントの業態の性質を考えると、デフォルトが「非公開求人」であり、公開求人はむしろ例外というほうが実態に近い。

転職エージェントを使わないとリーチできない求人が世の中にたくさんあるというのは事実

以上、見てきたように、転職エージェントの使用する「非公開求人」という言葉には多分に「釣り」の成分が含まれている。みなさんは、あまり「非公開」という言葉に引っ張られ過ぎないようにしてもらいたい。

もっとも、転職エージェントを使わないとリーチできない求人が世の中にたくさんあるというのは事実なので、その点は勘違いのないようにしておいてもらいたい。特定のエージェントにこだわりすぎる必要はないものの(大手のエージェントであればほぼ共通で流れている案件というのもたくさんある)、転職エージェントを一切使わないで転職活動をしようとすると途端にリーチできる求人が少なくなる。転職サイトには案件の募集を出さずに、転職エージェント経由のみで採用をかけている企業は思いのほか多い。「非公開」という言葉にこだわりがなくても、転職活動をするならエージェントの活用は検討してみたほうがいいだろう。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

 - 転職エージェントの選び方 > 基礎知識