転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

「とにかく大手企業に転職したい」という考えの危うさ

   

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「寄らば大樹の陰」というわけなのか、転職活動でやたらと「大手企業への転職」を志向する人がいる。新卒の就職活動の時に大手企業に入れなかったことに対するリベンジだったり、「大きな会社でしかできない大きなことをしたい」という志を抱いていたり、あるいは単純に「名の通った会社で働きたい」と考えていたり、人によって大手企業に転職したいと考える理由は様々だ。

しっかりとした理由があって大手企業を目指すのであれば問題ないのだが、実際には大手企業に対して勝手に良いイメージを抱いて「大手志向」に陥っていることも少なくない。「大手なら◯◯」と一括りで語れることは多いものの、その大手に対するイメージは本当のところどこまで妥当なのだろうか。

「大手なら安心」と思い込むことの危うさ

このサイトでは何度も何度も指摘していることだが、日本で「終身雇用」はもう事実上崩壊していると考えて間違いない。日本の総人口はこれから減少していく一方で、内需はどんどん減っていくことがもうほぼ決定している。国際化の流れの中で、企業間の競争もさらに激しくなるだろう。もう昔のように、人並みに頑張りさえすればそれだけで経済成長が成し遂げられるような時代ではない。そんな時代に、定年まで無条件で雇ってもらえることを企業に求めるのはハイリスクだ。これは、どんな大企業にも共通して言えることである。

「まさか、あの会社に限って潰れることはないだろう」と思っている人もいるかもしれないが、「企業が潰れない」ことと「ずっと定年まで働き続けることができる」かどうかはまた別の問題だ。たしかに、企業の中にはこれから50年、100年と生き残り続ける企業も間違いなくある。ただし、そこで働く人もずっと今のままというわけには当然行かない。基本的に、長年に渡って成長し続けられる企業は、時代の変化に応じて臨機応変に主力事業を変化させて時代に適応することで成長を維持している。そういう会社にずっと居続けるぞと頑張っても、主力事業が切り替わるタイミングで一緒に切り捨てられてしまう可能性も低くない。企業自体がいくら安定しているからと言って、ずっと自分もそこで安定して雇用されつづけられると考えるのは間違いだ。

大手企業を安住の地と決めてしまうことは、自分でキャリアを築いていくことを放棄することと等しい。その先に待っているのは「しがみつく」ことでしか自分の地位を守れない未来だ。これは実際、ものすごく危うい。会社に「しがみつく」という状態は、既にもう他にどこにも行き先がないという最後の状態を意味している。しがみつくこと自体とてもつらいものだし、しがみつくことに失敗した先にあるのも地獄だ。そういう選択肢が少ない状態をつくらないためにも、大手企業を無条件に安住の地だと決めてしまわないほうがいい。たとえ大手企業に転職することに成功しても、状況が変わればいつでも他の会社に移るという覚悟はつねに持ち続けなければいけない。

「大手ならでかい仕事ができる」は本当か

大手企業に安定を求めるのではなく、大手企業の持っている資本力や人材に魅力を感じて大手に転職したい、と考える人たちもいる。これは考え方としては一理ある側面もある。スタートアップや中小企業と比べれば、たしかに大手企業の動かせるお金や人は大きい。たとえば、大手企業が新しく何か新規サービスを立ち上げると決めた場合、ユーザーベースが巨大な既存サービスからユーザーを流すこともできるし、広告宣伝費も豊富にある。「大手企業でしかできないこと」は、たしかに存在する。

もっとも、話はそんなに単純ではない。たしかに大手企業は人も金もたくさん持っているが、いざ何かをしようとすると承認を経たり、会議を通したりなど、プロセスが非常に多く機動力ではかなり劣る。ベンチャー企業なら5分で決定できることを、1週間かけても決定できないことだって少なくない。「でかい仕事がしたい」と思って大手企業に転職したのに、いざ入ってみたら社内調整ばかりでやりたかったはずの「でかい仕事」は遅々として進まない、という話はかなりよく聞く。特に、小さな会社から大企業に転職する人はこのギャップに驚くことが多いので注意が必要だ。

また、大手企業には人が多いということは、自分が関われる領域もそれだけ分割されたものになりやすいということも忘れてはならない。たとえば、ベンチャー企業でサービスを立ち上げるとなれば、ほとんど何から何まで自分ひとりでやるということも少なくない。一方で、大手企業で何かサービスを立ち上げるというのであれば、実際に関われるのは一部分だけ、ということもありうる。「小さな仕事をほとんど全部ひとりでやる」のと「大きな仕事のほんの一部分だけに関わる」のとでは、どちらが総合的に見て「でかい仕事」なのかは議論の余地があるだろう。大手企業=でかい仕事、という等式はかなりあやしい側面もあるのであまり思い込み過ぎないように気をつけたい。

企業の規模に左右されない判断軸をもつ

転職活動で企業をさがす場合には、判断軸は企業の規模に左右されないものをもつようにしたほうがいい。名の通った大手企業は倍率も高いので、「大手に転職したい」という気持ちだけではそもそも受からないし、受かったとしても幸せになれるとは限らない。それよりも仕事の内容や会社のカルチャー、自分自身のやりたいと思っていることなどを判断の軸にして、企業規模はあくまでそれの補強材料として考えるようにすべきだろう。

実際のところ、大手企業に転職して幸せになれるかどうかは人それぞれだ。私の知人には、ベンチャーから大手に入ったものの、やっぱり自分の求めていたものとは違ういうことに気づいてまたベンチャーに戻った人もいる。大手企業から内定が出ると舞い上がってしまってそこに行くことしか考えられなくなる人もいるようだが、大手なら無条件で良いとはならないので気をつけて欲しい。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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