転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

オーナー企業・同族企業に転職する時に気をつけたいこと

   

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転職候補の会社をさがしていると、その中にオーナー企業同族企業が入ってくることがある。オーナー企業や同族企業と聞くと、あまりよくないイメージを抱く人は少なくないだろう。事業内容や仕事内容に興味を持っても、「オーナー企業」だという理由で転職候補からその会社を外す人も少なくない。

もっとも、「オーナー企業・同族企業」=「よくない企業」という考えは必ずしも正しくない。コーポレート・ガバナンスという観点から見ると欠点が多いオーナー企業だが、純粋にその会社の一員として働くということだけで考えると、オーナー企業でも自分に合っていればそこで働くこと自体は何の問題もない。むしろ、リーダーの権限が強い分、意思決定や事業化スピードなどの面で有利な部分も存在する。オーナー企業・同族企業では、良い意味でも悪い意味でも社長の考え方が社内の業務の隅々に強く反映されているので、あとはそれを自分がどう思うかだ。

オーナー企業=古い企業というわけではない

ひとつありがちな勘違いを指摘しておくと、オーナー企業は必ずしも古い企業にだけあるわけではない。社長・役員が創業者一族だけで占められる「同族企業」のほうはたしかにそれなりに歴史がある企業が多いものの、オーナー企業に関して言えば歴史のある会社だけでなく、ベンチャーから10年ぐらいで急成長した企業にもオーナー企業は存在する。

具体例を挙げると、たとえば楽天がそうである。楽天は事実上、創業者三木谷浩史のオーナー企業のようなものだ(楽天はもちろん上場企業なので会社法上はオーナー企業ではないが、ここではそのような会社法上の定義ではなく、実態を元にオーナー企業という言葉を使っている)。一昔前に楽天が社内公用語を突然英語にしたが、あれは三木谷社長の鶴の一声で決まったことである。他にも月曜の朝に全体で朝会があったり、朝会の後に自分たちでオフィスを掃除したりするなどの文化もあるらしいが、これらはいずれも三木谷社長の考え方が強く反映されている。楽天は創業から一貫して「三木谷浩史の会社」なのだ。

このようなトップが強い権限を有し、自らの判断で「独裁」とでも言えるべき専制的な経営を行っている会社は、大きな利益を上げている会社の中にも意外と少なくない。たとえばユニクロはそうだと言えるし、スティーブ・ジョブズ亡き前のアップルもそうだと言えるだろう。経営の世界は政治の世界とは違い、強いリーダーが信念に基づき正しい決定をすばやく行えるなら、議論や根回しなどのプロセスをすっ飛ばせる分だけ民主的な組織よりもスピードの面で強みがある。ゆえに、新興の会社であってもオーナー企業は存在するし、これからもそういった「オーナーの力で勝つ」ような強い企業は現れつづけるだろう。

社長の考えに強く賛同できるなら、オーナー企業で働くのも悪くはない

こういったオーナー企業に転職すべきかどうか迷った時に一番ポイントになるのは、「社長の考えや価値観に賛同できるかどうか」だ。社長の話を聞いたり、あるいは社長の書いた本などを読んで「なんか違うな」とか「そこまでピンと来ないな」というのであれば、こういう企業への転職はやめておいたほうが無難である。オーナー企業では、オーナーの考え方次第でいつ何が起こるかわからない。そんな時「この人が言うのだからきっと意味があるのだろう」というある意味では信頼のような感情が沸かないようでは、いつか必ず辛くなる日がやってくる。

オーナー企業が働きやすいかどうかは、社長の考え方次第なところが結構ある。たとえば、社長が「働きやすい職場を目指そう」という考え方の持ち主だった場合、オーナーの力でとんでもなく働きやすい職場環境が実現できることもあるだろうし、逆に「世界一の企業を目指すために俺も死ぬ気で働くからお前たちも死ぬ気で働け」という持ち主だったりすると、激務激務でピリピリした職場になるだろう。オーナー企業のカルチャーについては一概には言えないので、事前に転職エージェントなどを活用して十分な情報を収集することをおすすめした。

オーナー企業・同族企業で働くメリット・デメリット

オーナー企業・同族企業で働くメリットは、なんといっても「意思決定の早さ」だろう。社長がやりたいと思っていることは、他の企業と比べても圧倒的な早さで実現していく。社長の考え方に強く賛同していて、日々の変化も楽しめるという人は刺激的な日々が送れるだろう。社長が優秀であれば、企業もどんどん成長していくので、仕事にやりがいを感じることも多くなるかもしれない。

逆に、自分の考え方・価値観と社長の考え方・価値観が合致しない場合、こういった企業で働くのが非常に苦しくなる。鶴の一声で決定され、問答無用で上から降ってくる意思決定に翻弄される環境で働くのは、多大なストレスになるだろう。

また、非常に長いスパンで考えた場合、オーナー企業は成長を持続できるかという点についても不安がある。オーナー企業の強みは結局社長の能力次第なところがあるので、社長が交替した後も同様に成長を維持できるかは不透明だ。人間の寿命には限りがあるので、いくら元気でもどこかで必ず事業を後継者に引き継がなければならない時が来る。その時に血縁重視で子供に事業を引き継いで、経営がどんどん傾いていくという話は昔からよくあることだ。

そういう意味では、オーナー企業で働くのであれば、いつかはまた外に出る日が来ることを念頭に置いておいたほうがいいだろう。いくら社長に強く賛同していたとしても、自分の人生と会社の歩みは別物だ。そういう切り分けはどこかで必ず意識しておきたい。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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