転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職エージェントにはどこまでホンネを話すべきか

      2016/02/15

contract-408216_640

転職エージェントに登録すると、最初にキャリアアドバイザーとの面談がある。そこで担当者はよく「これは面接ではなく面談です。なんでもホンネで話してもらって大丈夫ですよ」といったようなことを言ってくる。転職エージェントのウェブサイトなどを見ていると、キャリアアドバイザー(キャリアコンサルタント)は転職者の味方で、転職者をサポートするのが使命だと書いてあるので、彼らに「ホンネを話す」ことは問題がないように思う人もいるかもしれない。

しかし、冷静に考えると必ずしもそうだとは言えない。そもそも、転職エージェントは転職者を企業に紹介し、成約時に紹介料をもらうことで成り立っているビジネスだ。エージェントの一歩先には企業がいるわけで、彼らに話したことが企業側にそのまま伝わるおそれがないとはいえない。また、転職エージェントには企業に紹介する人材を多くの求職者の中から選定するという役割もあるので、見方を変えれば転職エージェントとの面談は転職のゼロ次面接だと考えられないこともない。

もちろん、本当の面接とは違うのでそんなに固くなる必要もないし、リラックスして面談に臨むこと自体はまったく問題ない。ただし、親しい友人に話すように何から何まですべてホンネで話してしまうと、思わぬところで不利益を被る可能性がある。では、エージェントにはどこまでホンネを話すべきなのだろうか?

ネガティブなことはあまり言わないほうがよい

ここで提案したい基準は、とてもシンプルだ。エージェントには基本的にホンネを話して問題ないが、ネガティブなことに関しては、あまり言わないほうがいい。特に、人間関係についての不満などは言わないほうが吉である。会社で自分だけ浮いているとか、上司との折り合いが悪いとか、部下に恵まれないとか、会社の人間のレベルが低いとか、そういう話はいくらホンネでそう思っていたとしてもエージェントには言うべきではない。そういうことをホンネで言ったところで「わかりました。では、あなたでも満足できる人間関係がいい会社を紹介しましょう!」とはならない(会社の人間関係ばかりは、入ってみないことにはどうなるかわからない)。言ってもどうしようもないことなら、言わないほうが絶対にいい。

もっとも、たとえば「毎日毎日、終電で帰宅して、休日出勤も多く自分のために使える時間がほとんどない」というような切実な悩みなら、少しはホンネで相談してみるのもいいだろう。これについては労働環境がまともな会社を紹介してもらえれば解決するので、言ってみる価値はある。エージェントにどこまでホンネを話すかは、話した結果相手の行動が自分にとっていい方向に変わるか変わらないかで判断するといいだろう。

エージェントが推薦状を企業に送っていることを忘れるな

自由応募ではなく、転職エージェント経由で書類を企業に送る場合は、多くの場合「推薦状」と呼ばれる書類が添付される。推薦状には、応募者の能力、人柄、バックグラウンド、会社のカルチャーとの適合度などが記載され、選考の際の参考にされる。エージェント経由で応募すると選考が多少有利になることがあるのは(場合によっては、最終面接からはじまったりすることもある)、結局はエージェントが既に応募者をふるいにかけ、応募者を企業に「推薦」しているからに他ならない。このことからも、転職エージェントとの面談は転職のゼロ次面接という側面を持っていることがわかる。

「推薦状」という名前の通りなら、普通はポジティブなことしか書かれないように思えるが、エージェントによってはここに面談で話した内容をほとんどそのまま記載する場合がある。面談であまりネガティブな話をしないほうがよい理由はこの点にある。自分がエージェントに話したことは、推薦状経由でそのまま企業に伝わる可能性があるということを忘れてはならない。

転職エージェントのビジネスモデルを考えると、転職を成約させないことにはエージェントの利益にはならないので基本的にエージェントは求職者を応援する方向で動いてくれるが、一方で人材の質を保証するという役割も果たさなければいけないので、質の低い人ばかりを紹介してしまうのも彼らは避けようとする。転職エージェントを「完全に転職者の味方」だと思うとちょっと違うということになるので注意しよう。短期的には売上が上がっても、長期的に「あのエージェント経由で紹介される人はダメな人ばっかりだ」という噂が立ってしまえばもうそのエージェントは立ち行かなくなるので、彼らは得た情報を割と正直に企業側に伝えている。「転職者の転職を成功させる」ことも大事だが、それ以上に「企業側の採用を成功させる」ことも大事である。

このあたりは、不動産の仲介業者と似ているかもしれない。彼らは部屋をさがす人の味方でもあるが、それ以上に大家の味方でもある。大家が嫌がるような入居者をウソをついてまで入居させるようなことはしてくれない。およそ「仲介」を商売にしている人たちが、完全にどちらかの味方だということはありえないのだ。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

 - 転職エージェントの選び方 > 上手な活用法