転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

「異動願い」がつねにベストとは限らない

      2016/02/15

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「今の仕事が自分に合っていない」と思った時、取りうる選択肢はいくつかある。一つ目は、シンプルに転職して他の会社で自分に合った仕事をやること。二つ目は、起業するなりフリーランスになるなりして、雇用という状態を抜け出し自分でやりたい仕事をすること。そして三つ目は、今の会社にとどまりつつ「異動願い」を出して希望の仕事ができる部署に異動すること。

この三つの選択肢を検討した場合、仮に「異動」ができるならそれが一番いいと思う人は少なくないかもしれない。もちろん、異動をするにはそもそもある程度の会社のサイズがないとダメだし、異動がほとんどないという会社もあるので、どんな人でもできるというわけではない。それでも、異動ができるというのであればそれが一番リスクが低いように見える。

しかし、実際には必ずしもそうとは言えないのだ。起業はともかく、転職と異動とではどちらがいいとは一概には言えない。時には、異動よりも転職のほうがストレートに問題を解決してくれることもある。

「できる人は異動させたくない」が会社のホンネ

「異動願い」の最大の問題は、それが聞き入れられるという保証はまったくないということだ。社内公募制度があったり、ジョブローテーションの前に上司に希望部署が出せるような会社であったとしても、自分の希望している部署に異動できるかどうかは結局は会社の決定次第だ。本当に自分のやりたい仕事に近づきたいのであれば、本当にあるのかどうかわからない異動を待つよりも、自分から能動的に会社を探して転職してしまったほうが直接的ではある。

そもそも、会社の立場からすれば、社員を希望する部署に異動させるメリットはあまりない。特に、既に会社への貢献度が高い人はあまり異動させたくないと思うのが会社のホンネである。業績に強く貢献している社員を異動させてしまうと、その穴を埋めるのは大変だ。そういう人はなかなか解放してもらえない。「会社にこんなに貢献したのだから、そろそろ好きな仕事をやらせてくれよ」と思う気持ちはよくわかるが、残念ながら「できる人ほど異動しにくい」というのが現実である。

では逆に、できない人なら異動しやすいのかというとそれも違う。できない人は言わば会社のお荷物なので、閑職への異動はあっても本人の「やりたい仕事」をやれる部署に異動させてあげよう、とは普通はならない。できない人の希望を聞き入れているのに、できる人の希望を聞き入れないとしたらそれこそ不公平感が強くなってしまう。結局、能力のあるなしに関係なく、異動で希望を通すのは簡単ではないということだ。

上司の理解が得られないと異動は難しい

「異動願い」によって希望を叶えたいのであれば、少なくとも上司の理解を得ることは必須だ。自分の希望部署に異動したいのであれば、人事の決定権を持つ人までその希望が伝わらなければ意味がない。その際、伝達のパスには確実に上司がいる。どんなに本人が異動したいと言い続けたとしても、上司が途中でその希望を握りつぶせば異動願いなど存在しなかったのと同じことになる。

「異動願いを上司が握りつぶす」という話は実際珍しい話ではないようだ。これは上司の役割を考えてみるとわからないこともない。「部下の◯◯君は✕✕部に異動したいと言っています」と上司がさらに自分の上に報告することは、ある意味では「自分では◯◯君をあずかれません」と言っているようにも聞こえ、それはすなわち上司の無能力を証明している。部下の異動願いを上に伝えることは、部下本人にとっては意味のあることであっても、残念ながら上司本人はほとんどメリットがない。ゆえに、握りつぶしも発生しうる。

もちろん、上司との間に役職を超えて「ひとりの人間対ひとりの人間」の関係ができあがっているのであれば、信頼関係に基づいて部下の希望を上に伝えてくれることもあるだろう。もっとも、そういうすばらしい上司の下で働いている人が「異動したい」と積極的に考えるのかという点にはやや疑問が残る。

「異動」が実現するには時間がかかる。若いなら思い切って転職をしたほうがいいこともある

ここまで書いてきたように、「異動願い」が聞き入れられる確率は必ずしも高くない。そしてまた、時間もかかると思っておいたほうがいい。実際、「希望する部署に異動できた」という人に話を聞いてみると、何年も何年も面談のために「◯◯部に行きたいです」と言い続け、入社後5年、10年たってようやく異動できたということも少なくないようだ。

時間がかかるということは、それだけ歳を取るということも意味している。このサイトではたびたび書いてきたが、20代前半〜20代半ばぐらいであれば、職歴があまりなくてもポテンシャルや熱意のちからで時には未経験職種・業種への転職も可能となる。ところが、異動のために5年、10年費やした後だと、既に20代後半から30代に突入しているため、職務経験に基づく転職以外はほとんどできなくなってしまう。いつまでも「異動」にこだわっていると、転職というカードの価値はどんどん低下していく。

「今の仕事が自分に合っていない」と思ったり、あるいは「自分の本当にやりたいのは◯◯だった」と思ったのであれば、「異動」という手段に固執するのではなく、同時に「転職」という方法もあることを忘れずにいたい。個人的には、異動の希望を出しつつも、同時に転職活動もやってみることを勧めたい。会社の中だけでなく、外の選択肢も検討することで、今まで見えていなかったものが見えるようになる。自分の人生を他人(=今の会社)だけに委ねないためにも、つねに社外にも目を向けるようにしてほしい。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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