転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

ブラック企業での経験を転職活動でアピールポイントにすることの危険性

      2016/02/15

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ブラック企業という言葉の認知が広がり、あまりにも酷い会社については社会的な非難が集まるように少しずつなってきたものの、日本にはまだまだブラック企業としか言えないような酷い会社がたくさんある。

たまに、このようないわゆるブラック企業で働いていた経験のある人が、転職活動の際にそれをアピールポイントにしようとすることがあるようだ。たしかに、「1ヶ月間すべて土日なしで働きました」とか、「月150時間の残業にも耐え抜きました」とかいうエピソードは、忍耐力やストレス耐性があることを示す客観的な証拠として説得力があるように思える。

しかし実際には、こういったブラック企業での就労体験を前面に出しすぎることにはそれなりの危険がある。今回はその危険について考えてみたい。

一定のアピール力はあるものの……

ブラック企業における過酷な就労体験にアピール力があるかないかと言われると、不本意ながら「ある」と答えざるを得ない。

それが人道的に許されるかという話はあるものの、多くの企業はストレス耐性のある人を採用したいと思うし、突発的な休日出勤や残業も嫌な顔せずやってもらったほうがいい。「ブラック企業で一定の期間耐えぬいた」というのはこういった点について、企業側の望む人材であることを示すファクトなので、評価という点ではプラスに働く可能性は低くない。

ただし、どのぐらいプラスに働くかは会社による。そして、これがとても重要なことなのだが、ハードワークで離職率が高い企業ほど過去の過酷な業務に耐えたというエピソードが強く評価される傾向にある。つまり、ブラック企業の業務経験が深く刺さる会社は、同じようにブラック企業である可能性が結構高いということだ。

働き過ぎを卒業したいならアピールはよく考えてから

ブラック企業から転職するにあたって、「次の会社では働き過ぎを卒業したい」と考えているのであれば、この点は大いに注意する必要がある。次の職場では適切な労働時間で働きたいというのであれば、間違ってもブラック企業での就労経験を最大のアピールポイントにしてはならない。

逆説的になるが、結局はブラック企業での就労経験がアピールポイントとしてほとんど刺さらない会社のほうが、働き過ぎを卒業するという意味では遥かによい会社だということになる。働き過ぎを卒業したいのであれば、他にもアピールポイントをしっかりと用意しておきたい。タフさはストレス耐性以外のポイントが刺さって内定が出るなら、そちらのほうが絶対にいい。

ちなみに、転職エージェントを使って転職活動をしている場合は、面接通過後にエージェント経由で「どこが評価されたか」を聞くことができる場合がある。ここで「ストレス耐性がありそうだった」とか「コミットメントが高そうだった」とか、明らかに、ブラック企業時代の就業経験が刺さって受かったようであればそこに行くかどうかは慎重に判断したほうがいいだろう。エージェントがクロージングを迫ってきても断固としてノーと言おう。

なお、ハードワークは別に覚悟の上で、ただ年収をもっと上げたいとか、もっと将来性のあるスキルがつく仕事をしたいという理由でブラック企業から転職をする場合は、ブラック企業の就労体験をアピールポイントにしていくのもいいだろう。不当に働かされた分を別の面で取り返すという姿勢自体は決して悪いものではない。

炎上対策要員として採用された知人の話

私の知人に、ブラック企業時代の経験を買われて転職し、結局は転職先でもハードワークを強要され不幸になってしまった人がいる。彼は元々ブラックな零細下請けSIer出身でよく会社に泊まったりしながらハードワークに耐え忍んでいたが、何年たってもその生活の出口が見えないことに絶望し、転職を決意した。

もともと仕事に対するコミットメントが高い人だったので、転職自体はあっさり決まったのだが、どうも後から聞いてみると新しい会社は彼をもっぱら「炎上対策要員」として採用したようだ。彼が配属されるプロジェクトは決まっていつも社内でも1,2を争う炎上案件で、結局彼は転職先でも同じように会社に寝泊まりしながら働くことになった。

総合的に見ると、給与や福利厚生の面で彼の待遇自体は多少の改善はあったのだが、体力勝負でプライベートもなく働き続けなければならないという状況は転職をしても改善されず、彼は結局そのまま転職先の会社を辞めることになった。今はフリーランスエンジニアとして自分で仕事の量をコントロールしながら働いている。

彼の例からもわかるように、企業が前職の経験を強く買うということは、結局それが活きる業務を自分の会社でもやってもらいたいと思っているということにほかならない。面接で特定の経験をアピールする際には、入社した時にそれと近い仕事をやらされる可能性があるということと必ずセットで考えよう。大学受験などとは違い、「受けってしまえばこっちのもの」ではないのが転職活動だ。転職活動はスタート地点に過ぎず、内定して入社した先には必ず実際の業務が待っていることを忘れてはならない。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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