転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

ワークライフバランスを求めて転職する際に注意すべきこと

      2016/02/15

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連日の深夜残業・休日出勤などといったハードワークな状態を改善したいと考えて、転職活動をはじめる人もいると思う。

このようなワークライフバランスを求めた転職を実現するためには、転職先の会社選びはかなり慎重に行う必要がある。非常に残念なことに、日本ではワークライフバランスに対する理解がまだまだ遅れており、「残業とか少なそう」といったイメージだけでいい加減に転職先を選ぶと、結局またハードワークな職場だった、ということになりかねない。

困るのは、職場にどのぐらい残業があるか、休日出勤があるか、といった非常に重要な情報は、募集要項からは読み取れないことである(稀に残業時間を明記している会社もあるが、それだって本当の数字かどうかはあやしいところだ)。勤務時間9:00~18:00と書いてあっても、実際にはほぼ毎日残業があり、ホントは9:00〜22:00ぐらいという会社も少なくない。いざ転職してから「こんなはずじゃなかった」と思ってもそれはもう遅い。

このような地雷を踏まないために、事前にやっておくべきことにはどのようなことがあるのだろうか。

現場の社員は最高の情報源

応募しようと思っている企業の残業状況がどのぐらいなのかは、募集要項に書いてなかったとしても努力次第ではある程度調べることができる。

一番間違いがない方法は、知人を介して現場の社員から聞き出すことだ。現場の社員なら「みんな大体何時ぐらいに帰っているか」「早く帰りづらい空気はあるか」「繁忙期はあるか、その場合は最大どのぐらいまで帰りが遅くなるか」といった情報に的確に答えることができる。自分が所属している部署以外の情報でも、中にいればなんとなく漏れ聞こえてくるものなので、社員が言ってることは大体正しい。情報源としては一番信頼できると言ってよいだろう。

問題は、どうやって現場の社員に接触するかだ。転職を考えている会社に、そう都合よく知人がいるとは限らない。そういう時は、「知人の知人」を頼ってみるといい。具体的には、Facebookなどで自分と直接つながっている人の中で、友達が多そうな人に「◯◯社で働いている人の知り合いはいませんか?」と聞いてみる。案外、これですんなり到達できたりする。そもそも、世界中の人は6ステップで大体つながることができるという(参考:六次の隔たり)。転職を検討している会社はたいていの場合自分がいま所属している業界と親しい属性にあるので、検索範囲を2ステップまで拡大すれば見つかる可能性はかなり高い。

このやり方を取る場合にポイントとなるのは、自分と直接つながっている友人が、快く自分の友人を紹介してくれるかどうかだ。これはひとえにその直接の友人との関係の深さにかかっている。日頃から友人は大事にしておきたい。

知人がいなければ、転職エージェント経由で聞くという手も

現場の社員から聞き出す手段がない場合は、転職エージェントを経由してうまく聞きだしてもらうという方法もある。できるキャリアコンサルタントは、担当の企業に深く入り込んでいるので、現場の事情にも詳しい。知人がダメなら、第二の情報源は転職エージェントということになる。

もっとも、自分で直接聞き出す場合に比べると、若干情報の信頼性に疑問は出てくる。彼らは基本的に「転職してもらってナンボ」の商売なので、受験先企業についてネガティブなことを言い続けて求職者のやる気を削いでも何ら得することはない。ノルマしか頭にない担当者に当たると残念な結果になる。そもそも、担当者が対象企業に深く入り込めていない場合には、通り一遍の調べれば大体わかるような情報しか教えてもらえない。

このリスクを分散するには、やはり転職エージェントを複数使うというのが効果的だろう。複数の転職エージェントを使っていると、どのエージェントからもほぼ必ず紹介される企業というものが出てくる。これで担当者の対照実験をすることができる。その企業について、それぞれのエージェントから情報を引き出そうとすると、保持している情報の差は鮮明になる。誰でも知ってるような情報しか教えてもらえなかったり、あまり説得力のないことばかり言われるようであれば、そのエージェントは切ればいい。

このように、エージェントを複数使えば比較の視点を持つことができるし、少なくとも複数のエージェントが同じ情報が得られた場合、それは事実だとして受け止めることができる。純粋にツールとして、エージェントをうまく活用してみてほしい。

転職クチコミサイトを見てみるのもよい。ただしあくまで参考程度に。

実際にその会社の現場で働いている知人、転職エージェント以外の情報源としては、たとえばキャリコネのような転職クチコミサイトを見てみるという方法もある。これは言わば転職版の2ちゃんねるのようなもので、社員や元社員が匿名でその会社についての情報を書き込んでいる(ということになっている)。

ただし、情報の信頼性にはあまり期待しないほうがいい。基本的にこの手の転職クチコミサイトを利用する人たちはその会社への不満が募りに募っている人たちなので、どうしても評価は下振れになる。また、書き込んだ人の在職チェックをしているわけでもないので、本当に社員が書いたのかあやしいようなものも当然ある。もっとも、すべての情報がウソというわけではないので、参考程度に一応チェックしてみるとよいだろう。

募集要項に「みなし残業」と書いてある会社には気をつける

その他、募集要項の項目だけでも、その会社がハードワークかどうかを推定できる場合がある。

たとえば、募集要項に「みなし残業」の記述がある場合は、残業が多い会社だと思っておいて間違いない。そもそも、残業が少ない会社は「みなし残業」を導入するメリットがないので(ありもしない残業の残業代を払うことになってまう)、みなし残業という制度を導入している時点でそれはもう「ほぼ毎日残業は発生する」と言っているのと同じことだ。みなし残業については色々と運用面で法的に問題も多い制度なのだが、とりあえずワークライフバランスを求めるならそういう求人は避けたほうが無難である。

同様に、「裁量労働制」についても注意が必要だ。私の経験上、toC向けのサービス運営を行っている会社の裁量労働制は、会社が払う残業代を合法的に削減するための方便にすぎない。ワークライフバランスを求めるなら、あまりおすすめはできない。

業種・職種によってはそもそも残業がないことが珍しいものもある

また、残業の多寡は業種や職種でもある程度想像がつくことが少なくない。たとえば、経理などの事務職と営業職では圧倒的に営業職のほうが残業が発生しやすい。あるいは、業界別にも残業が多い業界、少ない業界というものはある。たとえば、インターネット業界やSIer(特に下請け)は基本的にどの職種でも残業が多めだが、電力・ガスなどのインフラや大学職員などは全体の傾向としては残業少なめだと言える。本来、例外であるべき残業がデフォルトになることはどの業種・職種であってはならないと私は思うのだが、悲しいがこれが現実だ。

一般論としては、たとえばtoCのビジネスよりもtoBのビジネスのほうが恒常的な残業や休日対応は発生しにくいと言えるだろう。ただし、toBでも下請けがメインの場合はこの限りではないので注意。また、主たる業務が社外を向いているか社内を向いているかでも忙しさは変わってくる。たとえば、傾向として社内SEは普通のSEよりも余裕がある場合が多い。私の前職でも、外向きのサービスエンジニアたちは疲弊していく一方だったが、いわゆる情報システム部のエンジニアはホワイトで色々と余裕が伺えた。

今の自分の業種・職種がそもそも激務を余儀なくされるようなものだった場合、抜本的な解決のためにはそもそも業種・職種を変える以外にない。まだ20代であればそういった抜本的なクラスチェンジを実現する転職も可能だ。30代になってしまうとこういった業種・職種変更は基本的に難しくなるので、若い人はなるべく早く動いたほうがよいだろう。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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