転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

「会社を辞めてから転職活動」はアリか?

      2016/02/15

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転職を考えるということは、多かれ少なかれ今の会社に不満があるということだ。中にはこの会社への不満が募りに募って、「どうせいつかは辞めるんだから」ということでとりあえず先に会社を辞めてしまう人がいる。そのほうが転職活動に集中できるし、不満な会社で働くストレスもなくなる、というわけだ。今回は、このような「先に会社を退職してしまってから行う転職活動」の可否について考えたい。

先に辞めてしまうことのデメリット

転職が決まる前に会社を先に辞めてしまう際にまず問題になるのが、収入が途絶えてしまうことだろう。「貯金があるから大丈夫」と思っていても、預金額が単調減少していく状態は精神衛生上よろしくない。今まで給与から天引きされていた年金保険料や健康保険料などは退職後も払わなければならないし、家賃や食費といった生活費だって生きている以上はかかる。勢い余って辞めてみたものの、想定以上に出費がかさんで不安になったという話はよく聞く。そんな状態で転職活動をしていても、「急いで決めなければ」という不安とプレッシャーで、結局は満足できない転職先で妥協するなんてことになりかねない。

このような心理的な面に加えて、辞めてから行う転職活動には他にも実質的なデメリットがある。給与交渉がどうしても不利になってしまうのだ。働きながら転職活動をしていたいるのであれば、給与交渉の際に「今の会社の給料はこのぐらいで、これよりは下げたくない」というカードが使える。ところが、無職の状態で転職活動をしていると、「今はゼロ」という状態なので、相手の出す条件を跳ね返すカードがない。交渉を不利にしないためにも、転職活動は今の会社を辞めずに在職したまま行うのが基本だと心得よう。

辞めれば活動時間は増えるが……

一方で、先に辞めることで得られるメリットは「活動時間が増える」ぐらいだろう。働きながら転職活動をしようとすると、たしかに相応の忙しさは覚悟しなければならないのでこれは魅力的に見えるかもしれないが、実際にはそうでもない。転職活動は新卒の就職活動のように50社100社とエントリーシートを出したり、説明会をひたすら回ったりという形で進めることはないので、活動時間が増えたとしてもそれを有効に使い切れるほどやることはない。転職エージェントを用いて活動するのであれば様々な支援が受けられるので、働きながら行えないということはありえない。

『転職哲学』『会社は2年で辞めていい』などの著者があり、なんと12回もの転職に成功している経済評論家の山崎元さんは転職の心得として「猿の枝渡り」という考え方を提唱している。猿が枝から次の枝に移る場合、まずは次の枝を掴み、しっかり掴んでいることを確認してから前の枝を離す。いかなる時点においても、枝を掴んでいないタイミングは存在しない。転職も、これと同じだということだ。「辞めてから転職活動」というのはすなわち、枝を掴まず真っ逆さまに落ちていく状態なので、基本的には避けなければならない。

内定が出ても口約束ならまだ辞表は出すな

では内定が出ていれば問題ないということで、内定が出た瞬間、ただちにいまの会社に退職を願い出る人がいるがそのまえに1つ確認しなければならないことがある。その内定は書面に基づく正式なものだろうか?社長が最終面接で「合格!」と言っただけだったり、担当者から口頭で「おめでとうございます、ぜひ◯◯さんと一緒に働きたいと思ってます」と告げられただけだったらまだ安心してはいけない。通常の場合、内定を取ると「内定通知書」(外資系ならオファーレター)という書面が発行されるが、これが届いてからはじめて退職手続きに入ることができる。口約束ではまだ何も決まっていないものとして考えておいたほうが安全だ。

内定通知書が交付されたら、通常は就業形態、給与、賞与、勤務地などの情報が書かれているので、まずこれをよく確認しよう。口約束で交渉を進めていた内容と書面に書かれている内容が乖離しているなんてこともあるので、内定を受諾する前に疑問点はしっかり確認する必要がある。特に、相手が小さなベンチャー企業だったり、知人・友人の紹介で内定が決まったりした場合には、いざ出社してから「話と全然違うじゃないか」と驚くことがある。そういう時、口約束だと心許ないので、労働条件等は書面による通知を必ずもらうようにしたい。

命の危険を感じた場合は別

以上、ここまで「転職活動は今の会社を辞めずに進めるのが原則」という話を書いてきたが、私はひとつだけ例外があると考えている。それは、今の会社で働くことが命の危険に繋がる場合だ。ここでいう命の危険というのは、たとえばパワハラで精神を破壊されそうだとか、残業のしすぎで体を壊しそうだとかいう状態を指している。このような場合には、先に辞めてしまうというのもしょうがないだろう。要は、今の会社がどうしようもないブラック企業である場合だ。

悪辣な状態に耐えられず完全に壊れてしまうと、もはや転職活動どころではなくなってしまう。そのような兆候が感じられるのであれば、不本意ながら先に逃げることも考えなければならないだろう。何をするにも、まずは健康が第一だ。体を壊してしまったら何にもならない。間違っても、「ブラック企業で耐えぬいた経験が転職活動の際に有利に働く」なんて考えないことだ。仮にそれが有利に働くとしたら、転職先でも同じようにブラックな働き方を強要されることになるだろう。それでは何の意味もない。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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