転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職で年収はアップする?

      2016/02/15

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よくある転職理由のひとつに、「現職の給料が安いので上げたい」というものがある。転職サイトの広告などではよく「年収アップ」という言葉が使われるので、世の中には「転職すれば年収が上がるのが当然」と思っている人もいるようだ。年功序列型の賃金体系では基本的に給料は下がらないので、転職しても年収は上がるか悪くても現状維持になる、ぐらいに考えてしまう気持ちもわからないではない。

しかし、現実はそんなに甘い話があるわけではない。実際には転職と年収アップは必ずしも結びつかず、転職によって年収がダウンになるケースも決して少なくはないのだ。「転職すれば年収が上がるのが当然」と考えているのであれば、考えを改めたほうがいい。特に、全体的に不景気で人が余っている時期や、業界自体が落ち目であるケースなどでは、転職による年収アップはあまり望めない。ひとつ注意しておきたいのは、年収アップが望めなかったからといってそれはただちに個人の能力が低いということにはならないということだ。転職時の年収を決定するファクターは個人の能力よりも業界内の需要と供給が占める割合のほうが圧倒的に大きい。仮に転職で年収が上がらなかったといって、自分を卑下する必要はまったくない。たまたまそういう時期だった、というだけだ。

転職で年収が上がるケース

転職によって年収が「当然に」上がることはないが、もちろん中には転職によって年収アップが実現できる場合もある。たとえば、現職の給料が業界内標準と比較して不当に安い場合には、転職によって年収アップが望める可能性は十分にある。今の会社が他社と比べて給料が安すぎる、おかしいと客観的に言えるのであれば、年収アップを叶えるために転職するというのも十分現実的な考え方だと言える。

もうひとつのケースは、業界自体がアップトレンドにあり、人材獲得競争が発生している場合だ。これは一昔前のソーシャルゲーム業界などが例としてあげられる。ディー・エヌ・エーとグリーという2大プラットフォーマーが人材獲得競争を繰り広げた結果、ソーシャルゲーム業界の給与水準は全体的に大きく引き上げられることになった。この時期に、たとえばコンソール向けゲーム業界からソーシャルゲーム業界に転職してきた人のほとんどは年収がアップしたという(私の知り合いにもこの時期に年収アップを実現した人がたくさんいる)。このように、業界自体が成長中で、しかも主要なプレイヤーが複数いるという状態の場合にはほとんど何もしなくても年収は業界水準まで上がる。これも結局、給料を決定する要素としてはその人の能力よりも市場動向のほうが大きいということを表している。

他のパターンとして、ヘッドハンターによる引き抜きが行われる場合には当然現職よりも高い給料が提示される。もっとも、これは本当に一部の人の話なのであまり気にしてもしょうがない。ちなみに、転職サイトや転職エージェントを利用しているとスカウトという言葉が出てくることがあるが、これはヘッドハンティングとは違うので注意したい(稀に混同して舞い上がってしまう人がいる)。スカウトされたからといって特別待遇になることはないし、当然のように年収が上がるわけではない。

年収額は期待値、高すぎる年収には注意が必要

誰だって低い年収よりは高い年収のほうがいいのは当然だが、高ければ無条件でいいというわけでもないことも知っておいたほうがいい。年収額というのは企業にとっては期待値と一緒である。高い年収で転職が決まるということは、それだけその人に対して高い期待をかけているということになる。期待値コントロールという観点では実は結構危険な状態だ。高い年収を提示されて転職して、いざ働き始めたら先方の期待を大きく下回ったとなったら、その会社に長く居続けるのはかなり難しくなる。年収は1円でも高いほうがいい、と無条件に思い込むのは間違いだ。

転職はあくまでスタートラインにすぎない。目先の年収を上げたところで、最初から消耗が目に見えているというのではリスクが高すぎる。不当に年収を低くしていく必要はまったくないが、こだわりすぎるのも考えものだ。入社時の年収はそんなにこだわらず、入社後に成果を積み上げて年収を上げるというのもひとつの方法だろう。

ただし、その際には給料が上がりやすい会社かは事前に調べてもいいかもしれない。というのも、会社によっては入社時にはある程度市場原理に基づいて給与額を決定するのに、いざ入社するとずっと横並びという場合も決して少なくないからだ。その会社の給料が上がりやすいかどうかは、知り合いがひとりでもいれば聞けばすぐにわかる。キャリコネのような転職クチコミサイトを参考にしてみるというのもひとつの方法だ(無条件で鵜呑みにするのも考えものだが、このような評価に対する不満面については結構真実が書いてある)。

給与交渉は転職エージェント経由で

たとえば複数の企業から内定が出た場合に、A社からは800万、B社からは750万でオファーが出たとする。こうなると、B社に「A社は800万って言ってますよ、もっと上げてくれませんか」と言いたくなるのは自然だろう。しかし、このような給与交渉はあまり日本人が得意とするところではない。ヘタなことを言って印象が悪くなったりはしないだろうか、内定が取り消されたりはしないだろうかといらぬ心配をしてしまう人もいるかもしれない(実際にはそんなことはない)。

こういう時に、転職エージェントを利用しているとエージェント経由で希望を伝えてもらうことが可能だ。転職エージェントのビジネスモデルを考えると、1円でも年収が高い転職を実現してもらったほうが売上が上がり彼らも嬉しいので、年収が上がる見込みがあれば喜んで交渉してくれる。これはうまく活用していきたい。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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