転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職エージェントと転職サイトの違い

      2016/02/15

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まったく転職活動をしたことがない人と話をしていると、時々「転職エージェント」と「転職サイト」の区別がついてないことで話が噛み合わないことがある。たしかに、転職活動を新卒の時に行った就職活動の延長のようなものだと考えていると、「転職サイト」の存在は想像できてもそれとは別に「転職エージェント」のような業態があることはなかなか頭に登らないのかもしれない。なので、知っている人には「何をいまさら……」と思われるのを承知で、今回は「転職エージェント」と「転職サイト」の違いについて説明しよう。

違いは個人でやるか、専門家と一緒にやるか

「転職サイト」は、一言で言ってしまえば会社の求人情報がたくさん載っているサイトだ。案件を探すだけでなく、サイト上から応募もできる。要は就職活動の時に使ったリクナビやマイナビを思い浮かべてもらえばいい。転職サイトを利用して転職活動をする場合、すべては自分自身の判断で個人として動くことになる。どの企業に応募をするか、どのような履歴書・職務経歴書を用意するかの判断、面接の日程調整、内定後の条件交渉などはすべて自分ひとりでやる。代表的な転職サイトとしてはリクナビネクストキャリコネ転職@typeなどがある。

一方、「転職エージェント」を利用する場合、転職活動は自分だけでなく専任のキャリアコンサルタントと共同で行うことになる(キャリアコンサルタントはキャリアアドバイザーやキャリアパートナーという名前を使うエージェントもある。やってることは完全に同じなので特に区別して考える必要はない)。キャリアコンサルタントは、一応転職の専門家ということになっている(一応、と書いたのは本当に専門家なのかと首を捻らずにはいられないキャリアコンサルタントも少ないながらいるからだ。それでもキャリアコンサルタントが抱えている情報の量や案件を紹介できるという立場による差は決定的に大きい)。

転職エージェントに登録すると、まず専任のキャリアコンサルタントと面談を行い、こちらの希望をヒアリングした上でキャリアコンサルタント経由で案件が紹介される。転職エージェントを利用した場合は、他にも面接の練習や職務経歴書の添削など転職活動を有利に進める上での指導も受けられるし、面接の日程調整や内定後の条件交渉も自分が直接やらずにキャリアコンサルタント経由で行えるので、純粋な事務手続きの面でもだいぶ楽になる。代表的な転職エージェントとしては総合型のエージェントならリクルートエージェントインテリジェンスDODA、専門特化型のエージェントならばたとえばレバテックキャリアワークポートなどが挙げられる。

もっとも、最近は両者の機能が一緒になっているものもある。たとえば上で「転職エージェント」の例に挙げたインテリジェンスDODAは、実は「転職支援サービス」の部分が転職エージェント機能で、登録すると同時に案件検索が可能な転職サイトにも登録したことになる。また、ワークポートの場合、案件の検索は「eコンシェル」という端末を使って転職者が自ら行うこともできる。

転職サイトと転職エージェント、どちらを使うべきか?

転職サイトのサービスがほぼ案件データベースを開放して終わりなのに対して、転職エージェントの場合はキャリアコンサルタントが手取り足取り手伝ってくれるので、素朴に考えると転職エージェントの側に軍配が上がるように思える。実際、転職市場に流れる案件数の割合から考えても、転職サイトが2割なのに対して転職エージェントには8割もの案件が集中するので(いわゆる「非公開求人」と呼ばれるものだ)、基本的には転職エージェントを使うのがおすすめということになる。

ただ、いくつかのケースでは、転職エージェントの前に転職サイトの利用を検討してみるのもよい。まず第一に、現時点ではそれほど転職の確度が高くなく、実際に転職を実行するまでにはだいぶ期間があるような場合だ。たとえば1年とか、そういった長いスパンで転職を検討している場合、転職エージェントに登録するのは多くの場合時期尚早だ。多くの転職エージェントでは、転職活動の期間として3ヶ月ぐらいを目安として考えるように転職者に対して働きかける(彼らもノルマがあるので、クロージングまで時間がかかりすぎる求職者を相手にはしていられない)。それ以上時間がかかる場合はそのまま相手にされなくなるか、あるいは執拗に活動を早めることを要求されるので、じっくり転職先を検討しようとしている場合は具合が悪い。それならいっそのこと、とりあえず転職サイトにだけ登録しておいて自分のペースで適当に進めつつ、確度が高まった時点で転職エージェントに登録するというやり方は悪く無い。

また、ドラスティックに職種を変更するなどの転職を画策している場合も、転職エージェントの利用は微妙になる。職種をまたぐ転職は、業種をまたぐ転職以上に難易度が高い。転職エージェントは転職してもらってナンボという商売なので、難易度が高い転職をしたいと希望してもあまり力になってもらえない(転職前と転職後の職種に関連があり、客観的に見て勝算がある場合なら別)。そういう転職は得てして長期戦になるので、転職サイトや自由応募・あるいは知人の紹介という方法をメインの戦術にしたほうがいいかもしれない。

企業から見た転職エージェントと転職サイトの違い

以上は求職者の側から見た転職エージェント転職サイトの違いだが、今度は視点を変えて企業の立場からこの違いを考えてみよう。ここで注目したいのは、転職エージェントと転職サイトのビジネスモデルの違いだ。転職エージェントは、基本的に成果報酬型で転職が成立した場合に転職者の年収の3割程度を得ることによって成立している。一方で、転職サイトは求人を媒体に掲載する際に掲載料を取ることで成立している(一部成果報酬を取り入れているメディアもあるがここではいったん考慮にいれない)。つまり、企業にとって、転職エージェント経由で人を取ることは安くない。取るからにはそれに見合っただけの人材でなければペイしないということになる。転職エージェントを利用して転職活動をする場合、企業側の期待値は決して低くないということを肝に銘じる必要がある。

もっとも、だからと言って転職サイト経由のほうが転職エージェント経由で応募するよりも難易度が下がるとか能力が低くても受かりやすいとは言えない。社員などが面接をする場合、そもそも相手がどこ経由で応募してきたかなんて情報は知らない場合が多いし、転職サイト経由であっても中途の社員に求めるのは基本的に即戦力であり「安かろう悪かろう」で取ってくれることはないだろう。一部で転職エージェントと転職サイトの双方に求人が出ている場合は転職サイト経由で応募することをすすめする意見があるが、これはあまりあてにしないほうがよいと思う。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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