転職の掟

転職で後悔しないために知っておきたいこと

転職理由は「人間関係への不満」でも問題ない

      2016/02/15

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たとえば職場で合わない上司の下で働かなければならないとか、チーム内の他の人と価値観が合わず自分だけ浮いてしまっているといったような「人間関係」の問題を原因に転職をしたいと考える人がいる。

巷でよくされるアドバイスでは、このような「人間関係を理由にした転職」はよくないことだ、とされることが多い。こういった理由に基づく転職を「逃げの転職」と命名し、「それでは成功しない、後悔する」ともっともらしく警告するキャリアコンサルタントも少なくない。彼らの言い分はこうだ――「人間関係を問題に転職をする人は、また新しい職場でも人間関係がうまくいかなければ転職してしまう」「人間関係に問題を感じる人の中には、実は環境よりも本人自身に問題があるケースが少なくない」

一見もっともらしく聞こえるが、これは必ずしも正しくない。私の大学時代の友人は最初に入った会社であまりにも直属の上司との相性が悪すぎてうつ病一歩手前まで行きそのまま転職をすることになったが、転職先では特に人間関係のトラブルに巻き込まれることもなくかなり楽しく働いていることがFacebookで定期的に確認されている。彼が転職してからもう5年ぐらいがたつが、特に人間関係で問題を抱えているという話は聞かない。彼は明らかに、転職で人間関係の問題が好転したパターンだ。結局、人間関係は人と人の相性の問題なのだから、環境を変えれば好転する可能性はつねにある。確率の問題なのであらゆるケースで改善するとはいえないが、「もうこの職場で働き続けるのは限界だ」と思うのであれば、「逃げの転職」云々なんてことは気にせずに転職を検討する価値は充分ある。

もちろん、職場で人間関係の問題が生じた時に、あらゆるケースで転職が第一の選択肢になるというわけではない。同じ会社でも、部署が変わればまるで違う会社であるかのように環境が劇的に変わる会社は少なくないので、部署異動の希望などが出せるのであればそういう形で逃げるのが一番リスクが低い。もっとも、そうは言っても小さな会社だとそもそも社内には逃げ場がなかったりすることもある。そういう時は会社の外に逃げ場をさがすことは自然なことだ。

ネガティブな要素がゼロの転職なんてほとんどない

「人間関係を理由に転職」と聞くと、転職理由がだいぶ後ろ向きであることを気にする人もいるようだ。なぜかこのような今の会社への不満をもとに行う転職はダメだと思っている人が一定数いるが、ちょっと冷静に考えてみて欲しい。仮に、今の会社への不満が一切ないとしたら、転職なんてする必要あるのだろうか?基本的に、転職をしようと考えるのは今の会社に多かれ少なかれ不満があるからのはずだ。たとえば「新しい会社で自分の実力を試したい」と一見前向きな転職理由を掲げている人だったとしても、それは結局、今の会社では自分の実力に見合った仕事ができない(あるいは、自分の実力にふさわしい評価をしてもらえない)といった現在の環境に対するネガティブな評価が根底にある。

誤解をおそれずに言えば、あらゆる転職はすべて今の会社への不満に根ざしたネガティブなものだ。あとは結局言い方の問題にすぎない。すべての転職は今の環境からの「逃げの転職」であるが、同時にそれは新しい環境への「攻めの転職」でもある。転職理由が「人間関係への不満」だったとしても、それを気にする必要はまったくない。よくある転職理由のひとつにすぎない。

受験先企業にバカ正直に転職理由を告げる必要はない

もっとも、だからと言って転職の面接で「いまの職場は人間関係に問題があるので御社に転職したい」「上司がとんでもなく嫌なヤツで……」とバカ正直に告げるのは感心しない。それはさすがにダメだ。これをやってしまったら確実に採用されない。先ほど「人間関係を問題に転職をする人は、また新しい職場でも人間関係がうまくいかなければ転職してしまう」という見方は必ずしも合っているとは限らないと書いたが、真偽はともかく面接の担当者にそう思われてしまったら当然採用されるわけがない。基本的に、面接でいまの職場についてのネガティブな意見を話すのはご法度だ。

仮に一番の転職理由が「人間関係への不満」であったとしても、掘り下げて考えてみると普通は他にもいくつか転職理由が見つかるものだ。「人間関係以外は100点」というのはあまり聞かない。人間関係の他にたとえば仕事内容に不満があるのであれば、じゃあそれを転職理由ということにして「もっとチャレンジングな仕事をしたい」といった形で伝えるようにすればいい。すべては言い方の問題だ。

では、受験先企業には本当の理由を告げないのは当然として、転職エージェントなどを使って活動している場合にキャリアコンサルタントには正直に理由を告げてよいのだろうか?これは考え方がわかれるところだ。一応、彼らは「なんでも正直に話して欲しい」というスタンスなので、あなたが相手を信頼できて正直に言ったほうがいいなと思ったのであれば言ってもよいとは思う。言ったからといってそれが受験先の企業に伝わって内定が取れなくなるようなことは絶対にない。ただ、キャリアコンサルタントは「人間関係への不満」を確実に解消できる案件を紹介することはできない。むしろ、人間関係に対してネガティブなことばかり言っていると「転職できなさそうな人」だと思われて自分の優先度が下げられるおそれもある。言いたくないのであれば言わないのもアリだと思う。他にいまの会社への年収面への不満などがあるのであれば、そういうことはどんどん言ったほうがよい。これらは次の職場を絞り込むための重要な情報になるからだ。

相手が受験先の企業であれ、キャリアコンサルタントであれ、自分の側の事情をどう開示していくかは自分で決めてコントロールしていけばよい。ビジネスの世界で、取引相手にすべてを正直に開示することは当然ながらしない。言って不利になることは当然ながら言うべきではない。それだけのことだ。

おすすめの転職エージェント

インテリジェンスDODA

求人数は100,000件、そのうち80%は非公開求人。総合型の転職エージェント。規模はリクルートエージェントに次いで2位。キャリアコンサルタントによるサポートは模擬面接を実施してくれるなど他社と比較しても厚い。とりあえずスタンダードに転職を検討するのであれば、まず登録しておきたいうちの一社。

 

私の友人の中にもDODA経由で内定を取った人がいる。率直に印象を聞いてみたところ、「色々とこちらの個人的な相談にも乗ってくれてよかった」ということで満足していた。その後彼は内定を辞退して転職活動を終えるというエージェントとしては不実の結果となったのだが、その時の対応も丁寧でよかったとのことだった。

パソナキャリア

転職エージェントへの参入が後発なため、規模は大手エージェントに比べると小さいものの、キャリアアドバイザーの教育レベルが高いという点でおすすめできるエージェント。

転職エージェントを使っていて嫌な気分になるのは、内定後に強引にクロージングを迫られたり、自らのノルマ達成のために「さっさと転職させてやろう」という魂胆が見えた時だろう。全員がそうだというわけではないが、たとえばリクルートエージェントなどは社風的にもそのような「イケイケ」なエージェントが少なからず在籍する。それに対して、パソナキャリアのエージェントは落ち着いたアドバイザーが多い印象がある。落ち着いて転職活動を進めたいという人にはおすすめできる。

レバテックキャリア

IT・Webエンジニア案件に特化した専門型転職エージェント。求人はすべてIT・Web系。それゆえ、担当のキャリアコンサルタントのIT専門知識は総じて高い。総合型の転職エージェントの場合、一応専門ということになっている人が担当してくれるものの、実際には担当者の知識が噛み合わずストレスを感じることがある。レバテックキャリアの場合は基本的にそのような心配はない。業界用語や専門用語もそのまま通じる。

紹介数については大手ほどではないものの、その人の人となりに応じて厳選して求人を紹介するという方針をとっているので、総合型では紹介されない案件を紹介してもらえることも少なくない。志望がIT・Web系と決まっているのであれば、ぜひ活用を検討したいエージェントのうちのひとつだ。

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